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16.05.20(Fri)

タイ北部の山岳地帯に住む首長族の村をおとずれて。

桑原 淳

桑原 淳

世界を旅して1000人の髪を切ったらこんなことが待っていた―― 旅の途中で得たものや思い、「旅人美容師」の今を発信。

タイの少数民族“首長族”の村でカットして感じたこと 

こんにちは。
今回はタイ王国側部の山岳地帯に住む首長族について書こうと思います。

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カレン族−−通称首長族は、ミャンマーやタイの山岳地帯に住み半農半狩猟を生業にする山地民族です。
金属をはめることにより首を長く見せる風習を持つことで世界にも有名で、写真などは見たことがある方も多いと思います。
ミャンマーとタイを合算した総人口は3万人〜4万人と言われていますが、タイとミャンマーを行き来している人がいる事や、ミャンマー側の統計が怪しいそうで実際の数はわからないそうです。


僕は2014年の夏にこの首長族に会いに行ってきました。
タイ第二の都市チェンマイに滞在していた僕は、近くにメーホーソンという首長族が暮らす村があるという話を聞き、せっかく近くにいるのだから…その村まで行ってみることにしたんです。
チェンマイからはそういったツアーで行くこともできるのですが、僕は自由に動きたいという理由で単身カレン族の村へ。

まずバスで3時間の場所にあるパーイという町へ向かいそこで一晩宿をとり、翌朝そこからさらに車酔いするほどの山道を小さいバンで4時間かけてメーホーソンという田舎町に向かいました。
メーホーソンに着き、地図で見るところによるともう目と鼻の先はミャンマーとの国境のようでした。
歩いてみてもまるで何もない小さな小さな田舎町です。
調べてみるとそこからさらに15キロほど山奥に行くとカレン族の村があるようでした。
町でバイクを借りていこうとしたのですが、2軒しかないというレンタバイクの店にはもう誰かに借りられていてバイクがありませんでした。
仕方なくバイクタクシーのおっちゃんに交渉して、行き帰りをお願いすることに。

山をどんどん登り、道路と川の奇妙な交差点をいくつも交わし、たまには象や犬や鳥とすれ違い、街から30分程走ったとこで到着しました。

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カレン族・・・首長族の村。
入場料として200バーツのお金を払いました。
日本円にしてたった650円ほどです。


実は、彼らはミャンマーの難民でこの山奥で貧しい生活をしています。
来て驚いたのが、村と言ってもただの細い道沿いに20程の木でできた小屋があるだけ。
外国人がこの村に入るために支払うその入場料が、彼らの生活費の足しになるそうです。
見渡すと、僕の他に観光客はいませんでした。
本当にそれだけでやっていけるのか?
そんなことを考えながら村の奥へと足を進めました。
ほんの数百メートル進むともう行き止まりです。

そこは本当に小さな村でした。

帰りのことを考えると村に滞在できるのはわずか2時間のみ。
ただ村を見て回るだけなら十分すぎる時間です。
でも僕にとっては少しそれが短くも感じました。
実は、この首長族の村を訪れた理由はその人たちのヘアカットをすることだったのです。
彼らは民族内の会話ではカレンニー語という言葉を使い、文字はビルマ文字を使用すると聞いていて、英語はもちろん通じないと思ったので、タイ語で書いた看板も持っていきました。
ですが、タイ語もわからない人がチラホラ。
どうしよう?と思ってるところ一人英語が話せる女性がいたのでその人に話しかけました。

「僕は日本人の美容師です。世界を旅しながらいろんな人の髪を切っています。もしあなたたちの中で今髪を切りたい人がいたら、カットしたいんですが…もちろん無料で」
「男?女?」
そう聞かれたので「誰でも!」と答え、その女性の旦那さんをカットすることになりました。

カットを始めると、それを見て村の人々が集まってきて「次は俺!私も!」と切る人がどんどん決まっていきました。

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カットしてて気づいたのですが、意外なことに男性もそれなりに多いこと、女性でも首輪をはめてない人が多かったです。
もちろんよく考えたら男性もいて当たり前なのですが、首長族といえば女性の写真しか見たことがなかったので…

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話を聞くと、首長族のすべての女性が輪っかをしているわけではなくて、一部の選ばれた女性のみつけているそうです。

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カレン族の首に輪っかをつけている女性たちは前髪だけ切る人もいるけど、 基本髪は切らないそうです。
彼女も最後に切ったのはいつか覚えてないほど昔だと言っていました。
希望の長さで切って、前髪も流れるように。
村の人々をカットしながら、集まったみんなとたくさんのことを話せたことがとても楽しく、時間はあっという間に過ぎていきました。
最後村を出るときに、カットした人にもしてない人にも笑顔で手を振りながら「ありがとう」と言ってもらえ、カットをしたことで喜んでもらえたことや村の人たちとたくさん話ができたことに僕はすごく満足でした。


帰り道ふと考えました。
カレン族の人たちが首輪をつける起源や理由は、本当のところはわからないそうです。
なのになぜ現代でもそうしているのでしょうか?
不思議ですね。
一部では見世物みたいにして観光客からお金をもらっていることに対し“人間動物園“という批判があるそうです。
確かにそうかもしれないですし、それはそれで非常に難しい問題だと感じます。
だけど過去にやり始めた人々はそんな事を考えていたわけはありません。
その起源やその時の心情などは想像することしかできませんが、そういう人々が現代でも同じように生きているということに僕はなんとなくロマンを感じずにはいられません。
かなり行きにくい場所にありますが、タイ北部を訪れた際は足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

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