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16.06.20(Mon)

地中海に浮かぶ不思議な国南キプロス・北キプロスを訪れて。

桑原 淳

桑原 淳

世界を旅して1000人の髪を切ったらこんなことが待っていた―― 旅の途中で得たものや思い、「旅人美容師」の今を発信。

こんにちは。
JUNです。

今回は地中海に浮かぶある島について書こうと思います。
それは、「キプロス」です。

皆さん、「キプロス」と聞いて思い浮かべる国はどこでしょうか。
多分、多くの方が金融破綻で注目を集めた「キプロス共和国」を思い浮かべるのではないかと思います。
でも、これから僕がお話するのは、「もう一つのキプロス共和国」なんです。

名前を聞くのも初めてという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この「キプロス」はとても不思議な場所なのです。

もうかれこれ1年以上前になりますが、ひょんなことからキプロスに行くことになり、イスタンブールの空港から飛行機でむかいました。
2時間ほどのフライトでついた先は北キプロス・トルコ共和国
地中海に浮かぶ小さなキプロス島北部にある独立国家です。

北キプロス・トルコ共和国(通称北キプロス)は世界でトルコしか承認していない独立国家で、トルコ系住民が暮らし、公用語はトルコ語です。

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そして島の南部にはもうひとつの国があります。
キプロス共和国(通称南キプロス)は島の63%を占める共和制国家で、EU加盟国です。
ギリシャ系住民が暮らし、公用語はギリシャ語になっています。
こちらは世界192ヶ国が国として承認しています。(もちろん日本も)

もともとキプロス島では、トルコ系、ギリシャ系の住民が混在していたのですが、第二次世界大戦のあとに紛争が起こりました。
1974年その争いにトルコ軍が軍事介入して北キプロスを占領し、北と南で分断してしまったわけです。

かつてのベルリンのようにキプロスの首都も分断されていて、南キプロスの首都はニコシア、北キプロスの首都はレフコシアと呼ばれ、たった数メートルの国境を挟んで隣り合っています。
何かでカテゴリわけするとしたらここは紛争地帯ということになるそうですが、現代では国境の行き来も簡単ですし、南キプロスはリゾート地としても有名で、恐れるようなことは何も起きない(100%じゃないけど)そうです。

ただひとつ注意しなければならないことがあります。
2つの国は一応敵対しているということです。

南キプロスから入国した人は、北キプロスにすんなりと行くことができます。
もともと南キプロスの領土だったので、南キプロス側としては”自分の国に行く”感覚なのです。
なのでパスポートもいらないですし、外国人も簡単なチェックだけです。

ですが、基本的には北キプロスから入国した人は、南キプロスに入国することはできません。
なぜなら国として認められていないからです。

北キプロスに降り立ってしまった外国人は、北キプロスに入国するときにはパスポートにスタンプを押すか、別紙に押すか選べます。

もしパスポートにスタンプ押してしまうと、敵国から来た人とみなされ、二度とキプロス(と同盟国のギリシャ)には入国できなくなってしまいます。

大問題ですね。

でも、別紙に押せば入国記録がパスポートに残らないので大丈夫です。
入国した記録さえなければ理屈では北キプロスから南キプロスに行くことができるわけです。
南から行って”帰ってきた人”を装えば。
ですがパスポートの中を詳しく見られたら南のスタンプがないのがバレます。
つまり北に入国して、南にぬけられるかは”運次第”ということになります。

ややこしいですね。

空港から首都のレフコシアはバスで1時間ほどでした。
中からみると草原ばっかりで、なんだか田舎っぽい感じです。
山には北キプロスの国旗と、トルコ国旗がありました。

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街につき、レストランで仲良くなったおじいちゃんから聞いた情報をまとめるとこんな感じでした。

・現地の人は南キプロス⇔北キプロス間は簡単に行き来できる。
・南より北のほうが物価が安い。
・北には観光客は全然来ない。
・昔は危なかったが今は平和そのものでなんの問題もない。
・北の人々と南の人々は言語が違うが、どちらの言語も話せる人も多い。
・日本に行って50歳くらいの嫁を探したい。

あまり若い人だと相手にされないから、50歳くらいがベストなんだそうです。(笑)

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おじいちゃんとわかれ、街を歩いてみても特に何もありません。
街の中も、外も。
人も少なくて本当に静かでした。
首都とはまるで思えません。
    翌日僕は南キプロスへ向かうことにしました。
イミグレーションは南側から見るとこんな感じで映画のチケット売り場みたいな出で立ちです。

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なんなら向こう側に街が普通に見えます。
北キプロスの出国審査で空港でもらった紙を渡しスタンプをもらい、そして歩いてわずか10メートルほどで南キプロスの入国審査がありました。

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ドキドキの瞬間でしたが、パスポートをチラッと見ただけで返却されました。
なんか呆気なく通り過ぎることができました。
そしてイミグレーションを抜けるとそこは南キプロスの首都ニコシア。
本当に普通の街でした。
あまりにも、普通。
世界のどこでもみるマクドナルドやケンタッキーの看板があります。
そこでふと気がついたのですが北側にはそういったお店が一切ありませんでした。
未承認国家だからでしょう。

そして南キプロスの首都は人も多くとても賑わっています。

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文字もトルコ語からギリシャ語に変わってます。
綺麗なレストランやホテルが並び、バスなどの交通機関も発達しているようです。(北側の表記は一切ない)

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その後僕は南キプロスで3日ほど過ごしました。
南キプロスにはラルナカというリゾート地や、フラミンゴが見られるという湖もあり、それはそれで楽しかったです。
2つの国に行って思いましたが、やっぱり違う国なんですね。
貧富の差というか、活気の違いははっきりしているのに、その境界線がなんとも曖昧。
わずか数mの国境を越えるとこれほどまで違うのか・・・とある意味ショックをうけました。

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僕は北キプロスでは紙に入国スタンプを押してもらったので、パスポート上ではこの島に来た事実さえ無かったことになります。

それも含め、とても貴重で不思議な体験をした数日間でした。


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